保育園にホームページを作る義務を定めた法令はありません。児童福祉法第48条の4第1項が保育所に義務づけているのは地域の住民への情報の提供で、その手段は条文で限定されていません。制度上の情報公表は、認可施設も認可外施設も、自園のサイトとは別に国が用意した全国共通のシステムへ登録して行います。
園ごとの運用や自治体独自の決まりは、園の所在地の自治体にご確認ください。以下は条文と国の資料で確認できる範囲です。
保育園にホームページを作る義務はありますか
ホームページの開設を義務づけた法令はありません。保育所に課されているのは情報の提供そのもので、児童福祉法第48条の4第1項はこう定めています。
保育所は、当該保育所が主として利用される地域の住民に対して、その行う保育に関し情報の提供を行わなければならない。
「行わなければならない」と書かれているのは情報の提供で、提供の方法は条文に出てきません。園だより、掲示板、見学の受け入れ、ホームページのどれで行うかは園が選べます。
同じ条の第2項は、地域の住民からの乳児・幼児等の保育に関する相談に応じ、助言を行うよう「努めなければならない」と定めています。第1項の情報提供が義務で、第2項の相談・助言が努力義務です。義務の強さが違うので、園の年間計画に載せるときは分けて扱うほうが整理しやすくなります。
保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号)も、この条を受けて「保育所は、児童福祉法第48条の4の規定に基づき、その行う保育に支障がない限りにおいて、地域の実情や当該保育所の体制等を踏まえ、地域の保護者等に対して、保育所保育の専門性を生かした子育て支援を積極的に行うよう努めること」と書いています。ホームページを持たない園が法令違反になるとは、条文からも指針からも読み取れません。
制度上の情報公表はどこで行いますか
認可施設の情報公表は、都道府県知事への報告を経て行われます。ここdeサーチとは、子ども・子育て支援情報公表システムの名称で、独立行政法人福祉医療機構が運用するWebシステムです。
こども家庭庁の資料は、仕組みをこう説明しています。子ども・子育て支援法第58条第1項に基づき、特定教育・保育施設等は、教育・保育の内容および当該施設等の運営状況に関する情報について、都道府県知事に報告しなければなりません。同条に基づき、都道府県知事は報告された内容を公表します。施設等による報告から都道府県知事による公表までを全国一律でインターネット上で実施するWebシステムとして、ここdeサーチが福祉医療機構で運用されています。
同じ資料に時期と流れも書かれています。令和元年度にシステムを構築し、令和2年9月から一般公開を開始。事業者が登録し、都道府県(市町村経由)が確認し、公表される3段階です。
自園のホームページに同じ内容を載せることは、第58条第1項の報告の代わりになりません。報告先が都道府県知事と条文で決まっているためです。園のサイトは、見学希望者や求職者に向けて園の様子を伝える場として使い、制度上の報告・公表はここdeサーチで行う、という二本立てになります。
認可外保育施設の情報公表は、独立行政法人福祉医療機構のウェブサイトへの掲載で行います。児童福祉法第59条の2の2は、届出をした施設の設置者に対し、次の義務を定めています。
前条第一項に規定する施設の設置者は、次に掲げる事項について、当該施設において提供されるサービスを利用しようとする者の見やすい場所に掲示するとともに、内閣府令で定めるところにより、電気通信回線に接続して行う自動公衆送信(公衆によつて直接受信されることを目的として公衆からの求めに応じ自動的に送信を行うことをいい、放送又は有線放送に該当するものを除く。)により公衆の閲覧に供しなければならない。
掲載先は、児童福祉法施行規則第49条の5第1項で特定されています。
法第五十九条の二の二の規定による公衆の閲覧は、独立行政法人福祉医療機構のウェブサイトへの掲載により行うものとする。
掲載先が省令で指定されているので、自園のホームページに同じ項目を並べても、この公表を行ったことになりません。施設での掲示と、福祉医療機構のウェブサイトへの掲載の両方が必要です。
公表する事項は、法第59条の2の2が3号にわたって定めています。第1号が設置者の氏名または名称および施設の管理者の氏名、第2号が建物その他の設備の規模および構造、第3号がその他内閣府令で定める事項です。第3号を受けた児童福祉法施行規則第49条の5第2項が、第1号から第13号までの13の事項を列挙しています。施設の名称および所在地、事業を開始した年月日、開所している時間、提供するサービスの内容と利用者が支払うべき額に関する事項、入所定員、保育士その他の職員の配置数またはその予定、保育する乳幼児に関して契約している保険の種類・保険事故・保険金額、提携している医療機関の名称・所在地・提携内容、緊急時等における対応方法、非常災害対策、虐待の防止のための措置に関する事項などが並びます。第7号は、法第6条の3第11項に規定する業務を目的とする施設の設置者や、一日に保育する乳幼児の数が5人以下である施設の設置者に限って、設置者および職員に対する研修の受講状況を求めるものです。
インターネットでの閲覧が加わった時期も分かっています。こども家庭庁の自治体向けFAQ(2024年7月1日版)は、認可外保育施設の設置者が見やすい場所に掲示しなければならないと規定されていたものに加えて、書面掲示に加えてインターネットを利用して公衆の閲覧に供しなければならない旨が新たに規定された、と説明し、令和6年4月1日施行と記しています。
ここdeサーチを更新しないと加算に影響しますか
保育ICT推進加算は、ここdeサーチの情報を最新化していない施設・事業所を対象外としています。令和8年度の公定価格の見直しで創設された加算で、こども家庭庁成育局保育政策課の資料は次のように書いています。
なお、ここdeサーチにおける施設の運営状況に関する情報の最新化(※)を行っていない施設・事業所は本加算の対象外とする。
注として付けられている最新化の内容が、実務の期限になります。例年5月に最新化の依頼を行っているところ、これを9月末までに対応し、更新または更新なしの処理を行うこと。最新化がなされていない場合や情報に誤りがあって市町村から保育所等に対し最新化・修正の指摘があった際には適切に対応すること。適切に対応がされていない場合は当該年度の加算の算定は認めない、と書かれています。
加算の本体の要件は、ICT活用の責任者を置いた上で、4つの機能を持つICTの活用、保育業務施設管理プラットフォームの活用、保活情報連携基盤の活用を全て行うことです。4つの機能は、園児の登園および降園の管理、保護者との連絡、保育に関する計画記録、キャッシュレス決済に関する機能と示されています。要件と書類の全体像は保育ICT推進加算が創設、要件は4機能にまとめています。
ホームページの更新作業とここdeサーチの更新作業は別の作業です。園のサイトの職員数や定員を直しても、ここdeサーチの運営状況は変わりません。年度の事務の流れに、ここdeサーチの最新化を独立した項目として入れておく形になります。
自己評価の結果はホームページに載せますか
自己評価の結果の公表は努力義務で、掲載先の指定はありません。保育所保育指針は第1章の保育内容等の評価で、こう定めています。
保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。
公表の具体的な方法を書いた資料があります。東京都の指導検査資料は、認可保育所を設置する事業者に向けて指摘事例と改善策を例示しています。保育の内容等の評価の項目では、指摘事例として「保育士等の自己評価を通して専門性の向上や保育実践の改善を行っていない」「保育所の自己評価を行っていない」「評価結果を踏まえ、保育の内容等の改善を図っていない」が挙げられています。改善策には、公表方法の具体例として「園だよりなどの定期的な通信への掲載」「ホームページや地域の広報誌への掲載」の2つが示されています。
公表方法が複数例示されているので、ホームページを持たない園は園だよりや広報誌で公表できます。ホームページを運用している園は、年度ごとの結果を固定のページに置くと、次の年度は差し替えるだけで済みます。
ホームページに職員募集を載せるときの決まりは何ですか
職員の募集を載せる園は、職業安定法第5条の4の対象に含まれます。同条は求人等に関する情報の的確な表示を定めた規定で、第1項の対象には「労働者の募集を行う者及び募集受託者」が挙げられています。
公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、この法律に基づく業務に関して新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法(以下この条において「広告等」という。)により求人若しくは労働者の募集に関する情報又は求職者若しくは労働者になろうとする者に関する情報その他厚生労働省令で定める情報(第三項において「求人等に関する情報」という。)を提供するときは、当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない。
第2項は、内容の鮮度についての義務です。「労働者の募集を行う者及び募集受託者は、この法律に基づく業務に関して広告等により労働者の募集に関する情報その他厚生労働省令で定める情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければならない」と定めています。どの提供方法が「広告等」に当たるかは厚生労働省令に委ねられているので、自園のサイトへの掲載の扱いは、所管の労働局やハローワークにご確認ください。
厚生労働省のリーフレットは、求人企業の義務として、虚偽の表示・誤解を生じさせる表示をしてはならないこと、求人情報を正確・最新の内容に保つことを挙げ、その措置として次の4点を示しています。
- 募集を終了・内容変更したら、速やかに求人情報の提供を終了・内容を変更する
- 求人メディア等の募集情報等提供事業者を活用している場合は、募集の終了や内容変更を反映するよう依頼する
- いつの時点の求人情報かを明らかにする
- 求人メディア等の募集情報等提供事業者から、求人情報の訂正・変更を依頼された場合には、速やかに対応する
同じリーフレットは、的確な表示が義務づけられる情報として、①求人情報、②求職者情報、③求人企業に関する情報、④自社に関する情報、⑤事業の実績に関する情報の5つを挙げています。園の紹介ページに書く職員数や開園年、受賞歴なども、求人の文脈で出すなら④や⑤に関わります。施行日は2022(令和4)年10月1日です。
園の作業に置き換えると、採用が決まった後の募集ページを残したままにしない、求人サイトにも出している園は終了と変更をその都度依頼する、掲載日や更新日をページに入れる、求人サイトから訂正の連絡が来たら放置しない、の4つになります。4点目は求人メディア側から園に連絡が来る場面なので、採用の窓口を1人に置いていると気づくのが遅れます。
入園案内と書類をホームページでどこまで扱えますか
入園の案内をホームページに置く園でも、書類の受け渡しは別の仕組みが必要になります。ZuMy株式会社が提供するzuuumyは、入園書類のオンライン化を行うサービスで、紙で集めていた入園時の書類を保護者がスマホから入力します。オンライン化している帳票は、児童票、緊急連絡先、生活状況票、健康問診票、食品調査票の5種です。入力するのは保護者です。
入力された内容は、保育ICTのCoDMONへCSVで連携できます。連携の内容は入園書類オンライン化サービス「zuuumy」、保育ICT「CoDMON」とのCSV連携を開始に書いています。児童票の記載項目や保存期間の基準は児童票とは、記載項目と保存期間の基準で確認できます。
園の紹介と見学の案内はサイト、制度上の情報公表はここdeサーチ、書類の収集は入力フォーム、という分け方にすると、年度が替わったときに直す場所が分かります。zuuumyの機能や費用は資料でご案内しています。入園書類の集め方を見直す段階であれば、資料請求からお問い合わせください。
よくある質問
保育園はホームページを作らなければいけませんか
ホームページの開設を義務づけた法令はありません。児童福祉法第48条の4第1項が義務づけているのは、地域の住民に対する保育に関する情報の提供で、方法は条文で限定されていません。園だよりや掲示でも情報の提供に当たります。自治体が独自に求めている場合があるので、所在地の自治体にご確認ください。
認可外保育施設の情報公表を自園のホームページで行ってもよいですか
児童福祉法施行規則第49条の5第1項は、法第59条の2の2の規定による公衆の閲覧を、独立行政法人福祉医療機構のウェブサイトへの掲載により行うものと定めています。掲載先が省令で指定されているので、自園のサイトへの掲載では公表したことになりません。施設での掲示とあわせて必要になります。
ここdeサーチの情報はいつまでに更新すればよいですか
こども家庭庁の令和8年度公定価格の見直し資料は、例年5月に最新化の依頼を行っているところ、これを9月末までに対応し、更新または更新なしの処理を行うと書いています。最新化を行っていない施設・事業所は保育ICT推進加算の対象外です。市町村から最新化・修正の指摘を受けて適切に対応しない場合、当該年度の加算の算定は認められません。
募集が終わった求人ページはどうすればよいですか
厚生労働省のリーフレットは、求人企業の措置として、募集を終了・内容変更したら速やかに求人情報の提供を終了・内容を変更することを挙げています。求人メディアを使っている場合は、終了や内容変更を反映するよう依頼します。いつの時点の求人情報かを明らかにすることも措置の1つです。
ここdeサーチと自園のホームページは両方必要ですか
子ども・子育て支援法第58条第1項の報告先は都道府県知事で、自園のサイトへの掲載が報告の代わりになる規定はありません。保育所保育指針が求める自己評価の結果の公表は、東京都の指導検査資料が園だよりや広報誌への掲載も具体例として挙げています。制度上の義務だけを基準にすると、ホームページは必須にはなりません。
この記事の著者 小泉太郎(ZuMy株式会社 代表取締役CEO)。入園書類のオンライン化サービス「zuuumy」を提供し、保育施設の入園業務で実際に扱う様式をもとに記事を書いています。
出典
- 児童福祉法 第48条の4、第59条の2の2(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月24日)資料ページ(条文テキストは法令APIで確認)
- 児童福祉法施行規則 第49条の5(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月24日)資料ページ(条文テキストは法令APIで確認)
- 子ども・子育て支援法 第58条(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月24日)資料ページ(条文テキストは法令APIで確認)
- 職業安定法 第5条の4(e-Gov法令検索、確認日: 2026年10月24日)資料ページ(条文テキストは法令APIで確認)
- 保育所保育指針(平成29年厚生労働省告示第117号、確認日: 2026年10月24日)資料ページ
- こども家庭庁「子ども・子育て支援情報公表システム『ここdeサーチ』改修について」(令和6年1月12日、確認日: 2026年10月24日)資料ページ
- こども家庭庁成育局保育政策課「令和8年度公定価格・基準等の見直し事項」(令和8年4月、確認日: 2026年10月24日)資料ページ
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化に関する自治体向けFAQ【2024年7月1日版】」(確認日: 2026年10月24日)資料ページ
- 厚生労働省「職業安定法改正のポイント」(確認日: 2026年10月24日)資料ページ
- 東京都福祉局「2 指導検査における主な指摘事例と改善策等について」(確認日: 2026年10月24日)資料ページ

